楽ラップについて、山崎元「ホンネの投資教室」の中で楽ラップの評価を語られています。 (第276回 「楽ラップセミナー」でお話ししたラップ運用への評価)
山崎氏の楽ラップに対する見解
山崎氏の楽ラップに対する見解は以下のようです。
「最終的には楽ラップも含めて合理的な投資家にラップ運用は要らない。だが、楽ラップは他のラップ運用やバランスファンドと比較して、相対的に優れている」
「楽ラップを含めてラップ運用はいらない」と仰っていますが、「楽ラップは他のラップ運用やバランスファンドより相対的に優れている」とも仰っています…。いるのかいらないのか、どっちなんだろう…。
バランスファンドより優れている楽ラップ
楽ラップがバランスファンドより優れている理由は以下のようです。
バランスファンドでも、ノーロード且つトータルで1%内外の運用管理手数料のものがあるが、バランスファンドの場合、楽ラップのように、投資家個人に合わせた運用内容を提案する訳ではない。~中略~ 大手運用会社のものや独立系の会社のものと比較するとして、投資家にとって、バランスファンドよりも楽ラップの方が優れたサービスになっている。
バランスファンドは、あらかじめ資産配分が決まっているのに対し、楽ラップはロボアドバイザーが投資家個人に合わせた資産配分にできること等が、楽ラップのほうが優れている理由としています。
ロボアドバイザーが決める資産配分が投資家個人にとって本当に最適なんだろうか…。投資初心者は、楽ラップよりも、大手運用会社や独立系の会社が販売している手数料1%未満のバランスファンドに投資するほうがいいように思う。楽天証券に口座開設して楽ラップを購入できるような人ならなおさらだろう。
ロボアドバイザーを無視?
楽ラップの使い方の「コツ」として以下のようにあります。
「リスクは投資金額で調節する」という基本の応用でもあるが、楽ラップを使う場合、出来るだけリスクの大きな配分になるような形に楽ラップを誘導し、この楽ラップへの投資額を調整するのと共に残りの資産で個人向け国債でも買うと、低リスクな楽ラップにより多額に投資するのと似た効果を、より低コストで作ることが出来るという「裁定」が可能だ。 つまり、運用の部品として楽ラップを使う場合には、ハイリスクな状態で使う方が効率的だという、利用法の「コツ」があるということだ。
わざとリスクの大きな配分になるように楽ラップを誘導して、個人向け国債のような無リスク資産と合わせて全体のリスクをマイルドにするコツもあるとのことです…。
もう、ロボアドバイザーの存在を完全に無視してますよね…?ロボアドバイザーがウリなんじゃないのだろうか…。
このコツが出来る人は、楽ラップなんて使わないと思う…。楽ラップより手数料の低い、インデックスファンドやバランスファンドで資産配分を構築できるでしょう。
楽ラップは、まだまだ改良が必要
最後に楽ラップについて改良が必要だと仰っています。
楽天証券にとって、「楽ラップ」はこれから改良し進化・成長させて行きたい力の入ったサービスだ。現時点では、他のラップ運用サービスよりも「投資家にとって相対的に優れたサービス」だと考えるが、「ラップ嫌い」の筆者としては、楽ラップを相対的にさらにいいものに成長させつつ、他のダメ・ラップを駆逐することを希望している。
楽ラップは、他のラップ運用サービスよりも優れてはいるが、改良し進化・成長が必要だとしています。現時点で楽ラップは利用するに値しないサービスだと個人的に思っています。ただ、低コストインデックスファンドを使用していることは、評価できます。山崎氏が言うように楽ラップが進化・成長して、投資初心者には、”楽ラップ”か”バランスファンド”がいいと言えるようになってほしいですね。
最後に
現時点の楽ラップに利用価値はなく、おすすめできない。今後の改良に期待しましょう。